パリ、テキサス アマゾン・プライムで見た

7月15日

 1985年の2月にイタリアを旅した時に、行く街行く街でこの「パリ、テキサス」の看板が目に入った。イタリア各地で上映されていた。日本でもこの後上映されると予想していたので、イタリアでは見なかった。日本で公開されたのは同年の秋だと思う。仕事で忙しかったので、公開上映の最終日の夜に仕事終わってから見に行ったと記憶している。ちょっと疲れ気味で見たのであるが、それ以来である。アマゾン・プライムで見られるとは思いもしなかった。

主役のハリー・ディーン・スタントンが行き倒れで保護される。いわゆる壊れてしまった男で登場する。弟がカリフォルニアからテキサスに保護しに来るが、この壊れてしまった男は、弟が目を離したすきにどこかにさすらってしまう。弟とのカリフォルニアへの帰路に飛行機には乗らない、同じレンタカーの車でないと嫌だと心がどこか壊れてしまった男ぶりを発揮する。壊れてしまった人間が主人公って後年の映画では時々出てくるようになった。映画の主人公というのは皆元気なものだと思うが、これは違うのだ。

それでもヴェンダーズ監督の映画の主人公だ。壊れた男ながら、弟夫婦と暮らしながら徐々に癒されて壊れから回復していくのね。


弟夫婦の子供として育てられている息子との学校から歩いて帰るところは良いですね。道路の両脇の歩道を別々に歩くが、スタントンが息子に見せるしぐさが良い。息子との関係も修復し、壊れた人間が回復したのね。


そして別れた妻、ナスターシャ・キンスキーを探して、テキサスへ行く。テレクラみたいに電話をしてマジック・ミラー越しの女性とお話をする。女性側からは男性は見えない。女性側は電話ではなくてスピーカーとマイクで応答する。こんな風俗アメリカには実在するのであろうか。最後は鏡の中で男と女が鏡越しに重なる。ちょっと感動するシーンです。


ジョン・ルーリーが後半に出てくるが、初見の時には気が付かなかった。1985年の2月にパリで見た「ストレンジャー・ザン・パラダイス」で主役だった。ちょい役だと気が付かないものだ。


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